|
01-02年トニー賞予想
トニー賞ノミネーション発表。例年通り、ミュージカル関連の受賞予想と僕の投票を書きます。
過去 4シーズンの予想結果はこちら→97-98年、98-99年、99-00年、00-01年。
と、ここまでは毎年同じことを書いてますが、今年はちょっと言っておきたい。
このトニー賞受賞予想、まあ、半分はお気楽な遊びなのですが、残りの半分は、自分の書いた観劇記を読んでいただくための方便なのであります。予想が当たるかどうかとは別に、なぜそう予想するのかの背景を観劇記を読んで知っていただくことも、僕にとってはたいせつなことなのです。でないと、別に、予想なんて誰にだって出来るわけだし、その予想が、競馬や totoと違って誰かに影響を与えるということもないわけで、わざわざ公開してやる意味がありません。
当たっても当たらなくても(けっこう当たるんですが。笑)、僕の予想記事には、その根拠を読む楽しみがある。――ということをアピールして、さあ、今年も予想に入ります。
ところで、これも毎年言ってますが、トニー賞は興行成績に直接影響が出るのでプロダクション側にとっては重要だけれども、選考には政治的判断による偏りもあるので、観客である我々にとっては“話のタネ”に過ぎません。必ずしも作品選びの基準にはならないことも、心に留めておいてください。
さて、今シーズンのブロードウェイ・ミュージカルは昨シーズン以上に(以下に?)低調。なにしろ、イレイン・ストリッチの限定公演を含めても対象舞台は全部で 9本しかないのだけれども、内 2本がすでにクローズ(『ザウ・シャルト・ノット』『バイ・ジーヴス BY JEEVES』)していて、なおかつ、『プロデューサーズ』クラスのガツンと来る作品もない。
そんなわけで、どんぐりの背比べ的印象の今回、予想もけっこうむずかしい。と、いきなり言い訳かよ(笑)。特に役者はわかりませんねえ。
あと、装置、衣装、照明のデザイン各賞、及び特別公演賞は、観ていない作品が多く含まれるので(ノミネーションにストレート・プレイが多いのはミュージカル低調の反映か)、審査員の投票予想はあきらめて、自分の投票だけにしました。装置なんて、選択の余地なし(笑)。だもんで、今回は的中率がかなり下がります。あしからず。
審査員の投票予想に★、僕の投票に●を付けました。例年通りタイトル、人名は原語表記です。
作品別ノミネーション数は次の通り(▲はリヴァイヴァル。◆の観劇記は未アップ)。全作品の観劇記をトニー賞発表までにアップの予定です。
- 作品賞
『MAMMA MIA!』
『SWEET SMELL OF SUCCESS』
『THOROUGHLY MODERN MILLIE』★
『URINETOWN』●
- リヴァイヴァル作品賞
『INTO THE WOODS』★●
『OKLAHOMA!』
- 主演女優賞
Sutton Foster 『THOROUGHLY MODERN MILLIE』★
Nancy Opel 『URINETOWN』
Louise Pitre 『MAMMA MIA!』
Jennifer Laura Thompson 『URINETOWN』
Vanessa Williams 『INTO THE WOODS』●
- 主演男優賞
John Cullum 『URINETOWN』
Gavin Creel 『THOROUGHLY MODERN MILLIE』
John Lithgow 『SWEET SMELL OF SUCCESS』★
John McMartin 『INTO THE WOODS』●
Patrick Wilson 『OKLAHOMA!』
- 助演女優賞
Laura Benanti 『INTO THE WOODS』★
Harriet Harris 『THOROUGHLY MODERN MILLIE』
Spencer Kayden 『URINETOWN』●
Judy Kaye 『MAMMA MIA!』
Andrea Martin 『OKLAHOMA!』
- 助演男優賞
Brian d'Arcy James 『SWEET SMELL OF SUCCESS』★●
Norbert Leo Butz 『THOU SHALT NOT』
Gregg Edelman 『INTO THE WOODS』
Shuler Hensley 『OKLAHOMA!』
Marc Kudisch 『THOROUGHLY MODERN MILLIE』
- 演出賞
James Lapine 『INTO THE WOODS』★
Michael Mayer 『THOROUGHLY MODERN MILLIE』
Trevor Nunn 『OKLAHOMA!』
John Rando 『URINETOWN』●
- 振付賞
Rob Ashford 『THOROUGHLY MODERN MILLIE』
John Carrafa 『INTO THE WOODS』●
John Carrafa 『URINETOWN』
Susan Stroman 『OKLAHOMA!』★
- 楽曲賞
Harry Connick, Jr. 『THOU SHALT NOT』●
Marvin Hamlisch & Craig Carnelia 『SWEET SMELL OF SUCCESS』★
Mark Hollman & Greg Kotis 『URINETOWN』
Jeanine Tesori & Dick Scanlan 『THOROUGHLY MODERN MILLIE』
- 脚本賞
John Guare 『SWEET SMELL OF SUCCESS』★
Greg Kotis 『URINETOWN』●
Catherine Johnson 『MAMMA MIA!』
Richard Morris & Dick Scanlan 『THOROUGHLY MODERN MILLIE』
- 編曲賞
Benny Andersson, Bjorn Ulvaeus & Martin Koch 『MAMMA MIA!』
Douglas Besterman & Ralph Burns 『THOROUGHLY MODERN MILLIE』
Bruce Coughlin 『URINETOWN』●
William David Brohn 『SWEET SMELL OF SUCCESS』★
- 装置デザイン賞
John Lee Beatty 『MORNING'S AT SEVENS』(play)
Tim Hatley 『PRIVATE LIVES』(play)
Daniel Ostling 『METAMORPHOSES』(play)
Douglas W. Schmidt 『INTO THE WOODS』●
- 衣装デザイン賞
Jenny Beaven 『PRIVATE LIVES』(play)
Jane Greenwood 『MORNING'S AT SEVENS』(play)
Susan Hilferty 『INTO THE WOODS』●
Martin Pakledinaz 『THOROUGHLY MODERN MILLIE』
- 照明デザイン賞
Paul Gallo 『THE CRUCIBLE』(play)
David Hersey 『OKLAHOMA!』
Natasha Katz 『SWEET SMELL OF SUCCESS』
Brian MacDevitt 『INTO THE WOODS』●
- 特別公演賞
『Elaine Stritch/AT LIBERTY』●
『Bea Arthur on Broadway/JUST BETWEEN FRIENDS』
『Barbara Cook/MOSTLY SONDHEIM』
『SEXAHOLIX....A LOVE STORY』
作品賞は『モダン・ミリー』と『ユーリンタウン』の一騎打ち。食い足りないのはどちらも同じだが、僕の中では迷わず、志のある『ユーリンタウン』。ただ、オープン間もないという新鮮さと、見た目の派手さで、審査員は『モダン・ミリー』か。
『マ(ン)マ・ミーア!』が獲ったら、以後ニューヨーク行きは止めます(心配。笑)。
リヴァイヴァル作品賞は、ノミネーションの発表前は、愛国的で立派な印象の『オクラホマ!』に審査員票は集まるかな、と思っていたが、これだけくまなく候補に挙がっていることからして、『イントゥ・ザ・ウッズ』への確かな評価を感じた。
僕の 1票も、もちろんそちら。今シーズンの最高作は、この充実のリヴァイヴァル。
前回、思わぬ伏兵に持っていかれた(と思っているのは僕だけ?)主演女優賞は、実は決め手に欠ける。と言うのは、僕の中では『イントゥ・ザ・ウッズ』の誰かに決まりなので、ヴァネッサ・ウィリアムズでいいのだが、複数主演の印象があって、審査員票はそれが裏目に出るかもしれないから。『ユーリンタウン』の 2人も、うまいが、主演と呼びきれないのが難。
主演らしい主演は、『モダン・ミリー』と『マ(ン)マ・ミーア!』の 2人。若いスター誕生への期待で、サットン・フォスターが選ばれる可能性はある。ルイーズ・ピートラは、熱演だけど作品が、ね。
主演男優賞は、カラム、リスゴウ、マクマーティンと、大物ジョン 3人が並ぶが(みんなアイリッシュ系?)、写真が街にあふれていることも含め、存在感でリスゴウがリードか。僕はマクマーティンの“うまみ”に 1票。
パトリック・ウィイルソンは 2年連続の候補だが、この役ではむずかしいのでは。
助演女優賞は最激戦区。誰に行っても納得出来る(ジュディ・ケイでも OK)。
僕がスペンサー・ケイデンに振ったのは、ユニークな役すぎて選ばれそうにないから(笑)。『イントゥ・ザ・ウッズ』からは、ケリー・オマリー Kerry O'Malley も候補に入れたいところだが、ま、彼女を抑えて(知名度ゆえ?)候補になったローラ・ベナンティで決まりか。大好きなアンドレア・マーティンもいい演技だったが、 1度もらってるし、いいよね(笑)。
助演男優賞はこの人で決めたい(笑)。他の 4人もいいけど、『成功の甘き香り』は、ブライアン・ダーシー・ジェイムズなしには成り立たなかっただろう。
あえて対抗を考えると、ロンドンから来たシュラー・ヘンズリーか。イギリスに弱いから、審査員たち。
演出は、僕の中では『イントゥ・ザ・ウッズ』か『ユーリンタウン』しかない。わずか 10年前の斬新な名作を、さらなる新鮮さを与えてよみがえらせたジェイムズ・ラパンは、やはり素晴らしい。僕のジョン・ランドウへの 1票は、この妙な作品をよくぞブロードウェイで通用させた、という感嘆票。
残る興味は、端正なトレヴァー・ナン演出がどう評価されるか、だ。
振付は、またまたスーザン・ストロマンか。僕は、人々を踊るように捌(さば)いた『イントゥ・ザ・ウッズ』のジョン・キャラファに 1票。
『モダン・ミリー』のダンスは、派手だが、キレが悪く感じられた。
楽曲は、『成功の甘き香り』か『ユーリンタウン』だろう。ま、どちらか、ということで(笑)。僕は、強烈だった『ザウ・シャルト・ノット』を推す。
アンドリュー・ロイド・ウェバー Andrew Lloyd Webber(『バイ・ジーヴス』)は全く無視されちゃいましたね。
脚本も『成功の甘き香り』と『ユーリンタウン』の対決か。僕は、うまく機能した後者を選ぶが。
あの映画版をコンパクトにまとめた『モダン・ミリー』はあっても、アバ ABBA の楽曲を見事につなげた『マ(ン)マ・ミーア!』は? まさかね(笑)。
編曲は、気分のよく出た『成功の甘き香り』に。僕はここでも『ユーリンタウン』びいき。
ま、『マ(ン)マ・ミーア!』じゃなきゃいいや。
装置、衣装、照明は最初に書いたような理由で変則だが、『イントゥ・ザ・ウッズ』が素晴らしかったことは間違いない。
特別公演賞はこれしか観てないんで(笑)。でも、獲らせてあげたい。
さあて、 toto同様、ハズしまくるのか(笑)。乞うご期待。
トニー賞の発表は現地時間の 6月 2日(日)夜。日本時間では 3日(月)の朝になります。
そうそう、今年の NHKのオン・エアは生中継だそうですぜ。
(5/7/2002)
トニー賞の結果はこちら。
Copyright ©2002 MIZUGUCHI‘Misoppa’Masahiro
previous/next
[HOME]
|