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[ゆけむり通信Vol.27]9/18/1997『オールウェイズ…パッツィ・クライン ALWAYS...PATSY CLINE』 アメリカのお嬢、甦る [アメリカの美空ひばりみたいな人ですからね。時代的には笠置シズ子なのかな。今でもボックスセットとか、売れてるみたいだし。男ならハンク・ウィリアムス、女ならパッツィ・クラインって感じなのかもしれないです。
オフで始まった『オールウェイズ…パッツィ・クライン』について書くにあたって、佐野元春のみならずカントリー・ミュージックにも詳しい能地祐子氏に問い合わせのメールを差し上げたところ、間髪入れずにご回答願えたのだが、その回答メールの一部がこれ。 そうかあ、美空ひばりかあ。どうりでアメリカ人の中高年層に受けてたはずだ。 アドレスは、[http://www.alwayspatsycline.com.]。 でも、こういう伝記ミュージカル作らせたりすると、アメリカのうまさが際立つねえ。ロンドンものの安易な作りとは雲泥の差。ソックリならいいでしょう、という『バディ BUDDY』がブロードウェイでコケたのも、しかたのない話だ。 パッツィの人生をストレートに描いたりせず、観察者の目を設定するというアイディアに、そのうまさが表れる。それも、夫や恋人や家族の目じゃない。 ルイーズは、離婚を経験しながらも1人でバリバリ生きてきたテキサス女性だが、ふと人生に寂しさを感じることがあった。そんな時彼女に生き甲斐を与えてくれたのが、ラジオから流れてきたパッツィの歌だった。 ――という2人の交流を、ルイーズがキッチンでラジオを聴きながら思い出し、観客に向かって語り始める。
ルイーズ役とパッツィ役の2人で演じられるこのミュージカル。目玉はもちろん、『バディ』同様パッツィの歌の再現だ。だが、パッツィの人間像を描き出しつつ歌を劇的に並べていこうとすると、間に説明的ドラマが必要になってくる。で、結局、歌もドラマも中途半端などっちつかずの出来になったりする。 とにかく、ルイーズ役のマーゴ・マーティンデイル Margo Martindale がうまい。 パラゾーラの歌も決して悪くないが、新聞などには“パッツィ・クラインには及ばない”という評も出たそう。しょうがないよね、美空ひばりなんだから。 思い切って転換をなしにして、舞台上に、コンサート会場(マイクの取り替えでナッシュビルになったりヒューストンになったりする)、ラジオ局、レコーディング・スタジオ、ルイーズのキッチンを共存させた、巧みなデザインの装置も、見事な職人技(クリストファー・ピッカート Christopher Pickert)。 こうしたこぢんまりしたミュージカルから学ぶことって多いんじゃないでしょうか、日本の製作者のみなさん。 (10/7/1997) Copyright ©1997 Masahiro‘Misoppa’Mizuguchi |