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[ゆけむり通信Vol.29]3/18/1998『サウンド・オブ・ミュージック THE SOUND OF MUSIC』 スノウボールの中のザルツブルク※お手数ですが、まず東京版の観劇記を先にお読みください。 ステージに下ろされた幕には天使たちが描かれている。その天使たちに支えられるように、幕の中央には大きなスノウボールが浮かび、ガラス球の中には背後にアルプスを頂くザルツブルクの街が見える。
ブロードウェイ版リヴァイヴァルの『サウンド・オブ・ミュージック』は、そのように美しく巧みなセット(ハイディ・エッティンガー[旧姓ランデスマン] Heidi Ettinger[Landesman])に彩られた、上品な工芸品の手触りを持つ完成度の高い舞台に仕上がっている。 今回のリヴァイヴァル、楽曲はオリジナル舞台版+映画版、構成はオリジナル舞台版に準じるという変則のスタイル。したがって、修道院からトラップ家に向かう時にマリアは「I Have Confidence(in Me)」を歌うが、子供たちに紹介されてすぐに「Do-Re-Mi」も歌う。ただ、構成がオリジナルに準じているわけだから、印象は東京 98年の山田和也版に近い。オープニングも、マリアの歌うテーマ曲ではなく教会のコーラスだし。
そのようにキリッと締まった舞台でマリアを演じるのは、歌のうまさには定評のあるレベッカ・ルーカー Rebecca Luker。『オペラ座の怪人 THE PHANTOM OF THE OPERA』のクリスティーンはともかく、『秘密の花園 THE SECRET GARDEN』のリリー、94年リヴァイヴァル『ショウ・ボート SHOW BOAT』のマグノリアと、ブロードウェイではオリジナル・キャストで主役を演じてきている。演目からわかるように硬いイメージの役が多く、今回もその延長線上で、おそらくジュリー・アンドリュース Julie Andrews を意識してのキャスティングだと思われるが、映画版のイメージに負けることなく見事に大役をこなしている。 演目的には安全パイとも言えるリヴァイヴァルではあるが、贅肉をそぎ落とした演出、魅惑的な装置、そしてブロードウェイの底力を見せつける上質のキャストによって、50年代の“超”名作はスノウボールの中に見事によみがえった。 余談ですが、僕が映画版を観たのは小6か中1ぐらいだった。もちろん感動しました。が、今ヴィデオで見直してみると、ちょっとドラマ部分がかったるい。それに、こんなに長くなくてもいいんじゃないかと思う。インターミッション付きだったなんて忘れてた。簡潔な舞台版を観た後だと余計にそう思う。 (5/1/1998)
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