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[ゆけむり通信Vol.31]
10/2/1998
『ヴィーシャ・ヴィーシャ VILLA VILLA』
空駆ける奇人たち
今年のニューヨークでトニー賞以降のいちばんの話題作と言えば、実はこれ。オフ・ブロードウェイの正体不明のパフォーマンス・ショウ『ヴィーシャ・ヴィーシャ』。
開演 2時間前から劇場窓口で売り出される限定の 20ドルチケットを買おうと並んだが、残念ながら 15人ほど前で売り切れ。もし時間に余裕があるなら、早くから並んでこのチケットを手に入れることをオススメする。なにしろ座席がないんだから。つまり、値段による観劇条件の違いは全くなし。安く買わなきゃ損です。
座席のない劇場って、どんな劇場か。
建物は、ユニオン・スクエアに面した、元は銀行だったもの。その地下(バー付き)で待つことしばし。時間が来て、案内係の誘導で上がっていく、その空間。
広さはテニス・コートぐらい。周囲を暗幕で囲ってあり、照明は一角にハロゲンライトのようなものが 1つだけ。天井は……。ここがポイント。天井は 3メートルぐらいのところにあって、材質は“紙”。
これが『ヴィーシャ・ヴィーシャ』が“上演”される劇場。
さあ、ここから先。どこまで明かしていいものか。
とりあえず中身について若干触れますので、観に行こうと思ってる方は読まない方がいいかも。一見の価値あり、とだけ、ここでは言っておきましょう。
でも、もしかして、すでにいろんなところで情報が漏らされてるのだろうか。
演じているのは、デ・ラ・ガルダ De La Guarda というグループで、プログラムによればブエノスアイレスで結成されている。『ヴィーシャ・ヴィーシャ』は、 95年にフランスでプレヴュー、ブエノスアイレスでオープンした後、ヨーロッパ、カナダとツアーを行ない、今年 6月ニューヨークに上陸した。
さて、内容は――。
ひと言で言えば、フライングのショウ。そこに様々な趣向が施してある。
その趣向を面白いと思うかどうか、やってる方から言えば、面白がらせられるかどうかが勝負。意外に意見の分かれるところかもしれないが、僕は、前半に関しては文句なく楽しんだ。
問題は、空飛ぶ奇人たちが一旦地上に降り立ってからの展開。
ここから観客の“参加度”が高くなって、楽しみ方に個人差が出てくる。なるほど、それで待合いフロアにバーがあったわけか、と合点がいく。はっきり言って後半は、ビールでもひっかけて積極的に盛り上がった方が“得”ってことかもしれない。
僕のように、構成を緻密にすればもっと凄くなるのに、なんて考えながら観てると、ちょっと入り込めなくなる。
それでも、その体技+体力は驚嘆すべきもの。話題になるのもよくわかる。
明かしてもいいのは、このぐらいでしょうか(笑)。
なにはともあれ、自分の目で確かめてください。ちなみに料金は最高でも 45ドル。観れば高いとは思わないでしょう。
(12/4/1998)
Copyright ©1998 Masahiro‘Misoppa’Mizuguchi
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